スキャンした書類をスプレッドシートに起こし、そこから科目・補助・税区分を自動で決めるための、分類の切り方。4段階の役割と、科目ごとに何を基準に分けるかを定める。
すでに4段階で動いている。稼働中のシート(9,417行)から実際の1行を並べる。
つまり足りないのは段階ではなく、各段階に何を入れるかの基準。いまは基準がないので、実際にこの行は持ち帰りのコーヒー豆とビニール袋なのに「1人飲食」が付いている。人数は誰も確認していない。
勘定科目 > 補助科目 > 費目、という包含関係にはならない。同じ費目「飲食代」が、金額と相手によって会議費にも接待交際費にも飛ぶ(実データで両方発生している)。費目は補助の下位ではなく、科目・補助・税区分を決めるための入力キーとして独立している。この形は正しいので変えない。
補助を何で切るか迷うのは、切る理由を決めていないから。理由は4つで、上3つは分けないと申告が作れないので必須。4つ目だけが会社ごとの任意。
| 理由 | 何が変わるか | 例 | 必須 |
|---|---|---|---|
| 税区分が割れる | 10% / 軽減8% / 非課税 / 対象外 | 福利厚生費の中で、歯科(非課税)とサプリ(軽減8%)と整体(10%) | 必須 |
| 損金の扱いが変わる | 全額 / 50% / 交際費枠を食う | 接待交際費の中で、飲食(50%特例あり)とゴルフ・贈答(なし) | 必須 |
| 資産計上・按分の判定 | 一括経費 / 少額資産 / 減価償却、按分率 | 消耗品費の中で、10万円未満と30万円未満。水道光熱費の電気とガスで按分率が違う | 必須 |
| 月次で見たい単位 | 何も変わらない。経営の見え方だけ | 広告宣伝費をWeb広告と印刷物で分ける | 任意 |
この4つのどれにも当たらない分け方は、作らない。補助が増えるほど入力時のプルダウンが長くなり、同じものが別の補助に入って残高が割れる。
ここが設計の芯。「1人で飲食したか、2人で飲食したか」を分類名に入れてはいけない。
組み合わせても増えない
重ならない・漏れない単位で
人数を補助名に入れると、飲食 × 人数 × 社内外 × 持ち帰りで数十の補助ができ、元帳が読めなくなる。しかも人数は領収書に書いていないので、読み取りでは決まらない。数値の列にしておけば、1人当たり金額=税込金額÷人数 が自動計算され、判定を機械に任せられる。空欄なら「未確認」として残り、埋めた瞬間に科目が確定する。
飲食は分岐が多いので、順番を固定する。上から順に当てれば、人が悩むのは最後の1問だけになる。
この順にすると、自動で決まるのは 1 と 3、人に聞くのは 2 と 4 だけ。しかも 1万円を超えた行だけ 聞けばいい。1万円以下で社外同席が不明な行は、結果が変わらないので放っておける。
いま補助に「1人飲食」が付いている行は、人数を確認した結果ではない。1人での飲食は相手がいないので会議費の要件を満たさず、本来は会議費に置けない。補助名を 打合せ飲食 に改め、人数は列に移すのが筋。既存行は補助ごと一括で置き換えられる。
主要科目について、補助を何で切るか。「切り口」の欄が、その科目で分類を増やすときの唯一の基準になる。ここに当てはまらない補助は作らない。
| 勘定科目 | 切り口 | 補助科目 | 分ける理由 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 移動手段 | 電車・バス代/タクシー代/駐車代/高速代/レンタカー/ICチャージ/宿泊費 | ICチャージは資産の移動で対象外、他は10%。税区分が割れる |
| 会議費 | 場と形態 | 打合せ飲食/打合せ喫茶/会場・レンタルスペース/会議資料・備品 | 飲食だけが1万円基準と書類要件の対象。会場代は金額に関係なく会議費 |
| 接待交際費 | 支出の形態 | 接待飲食/接待ゴルフ/贈答・手土産/慶弔/会費 | 飲食費だけに50%損金算入の特例。分けないと申告調整ができない |
| 福利厚生費 | 給付の種類 | 歯科・医療費/鍼灸/サプリ・医薬品/食料品/整体・マッサージ/化粧品・美容/慶弔見舞 | 非課税・軽減8%・10%の3つに割れる。同じ科目の中で税区分が最も乱れる場所 |
| 消耗品費 | 用途と金額 | 事務用品/日用品(業務用)/業務用衣装/工具器具(10万円未満)/少額資産(30万円未満) | 10万・20万・30万で資産計上の扱いが変わる。少額資産は別表の添付が要る |
| 通信費 | 回線・役務の種類 | 携帯電話/固定・インターネット/ソフト・サブスク/郵送・宅配 | 家事按分の率が種類で違う。サブスクは継続課金なので残高で追う必要がある |
| 水道光熱費 | 供給の種類 | 電気代/ガス代/水道料金 | 按分率が種類ごとに違う。まとめると按分計算ができない |
| 新聞図書費 | 媒体 | 新聞(定期購読)/書籍代/電子版・有料記事 | 週2回以上発行の新聞の定期購読は軽減8%。電子版は10% |
| 車両費 | 支出の性質 | ガソリン代/車検・整備/自動車保険/自動車税 | 保険は非課税、税金は対象外。租税公課・保険料へ振り替える判断もここで見る |
| 広告宣伝費 | 媒体 | Web広告/印刷物/取材・制作費/販促品 | 期をまたぐ広告は前払費用になる。媒体で分けておくと判定できる |
| 支払手数料 | 相手の種類 | 銀行手数料/決済手数料/士業報酬/プラットフォーム利用料 | 士業報酬は源泉徴収が要る。国外事業者への支払はリバースチャージの判定対象 |
| 地代家賃 | 物件の用途 | 事務所家賃/駐車場/社宅 | 居住用は非課税、事業用と駐車場は10% |
| 仮払金 | 相手先ごと | (支払先の名前をそのまま補助に) | 中身が分からないものの置き場。補助が相手名なら、判明時に一括で置換できる |
| 雑費 | 切らない | 補助を作らない | 補助を作ると溜め場になる。分からないものは雑費でなく仮払金へ |
費目は、現物に書いてある言葉に近づける。「ガソリン代」「駐車代」「施術代」のように、但し書きをそのまま拾える語にしておくと、読み取りの精度がそのまま分類の精度になる。会計の語(会議費・福利厚生費)を費目に持ち込まない。それは科目の仕事。
現物に書いてある
判断が入っている
追加すると1万円判定が自動になる。ただし読み取りでは埋まらないので、1万円超の行だけ人が入れることになる。追加しない場合、飲食は全部その場で人が判断し続ける。
既存の該当行は補助ごと一括で置き換えられる。置き換えた行は確認ステータスを未確認に戻し、人が見ていないものを確認済にしない。
上の表のうち「必須」の3理由で切った補助は、どの会社でも同じになる。「月次で見たい単位」だけが会社ごとに違う。共通と会社別を同じ入れ物に入れると、過去に1,024行がまるごとコピーされた事故が起きている。
会計ソフト側のプルダウンが長くなると入力が破綻する。1科目あたりの補助を何個までにするか決めておくと、増やすときの歯止めになる。